正直、今も怖いよ。
1年前までは、生と死が隣あわせの状況に置かれるなんて夢にも思っていなかった。
だって、アタシは普通の中学生で。
学校に行けば、友達がいて。のぞみがいて。
大好きなスポーツに没頭して。
そして、暖かい家族に囲まれて育って。
平凡ながらも幸せな毎日を送ってた。
それが、突然自分が「プリキュア」になるなんて…
人生予想外もいいところだよ。
ずっと左手首についてたピンキーキャッチュ。
使命を終えた時、みんなのキャッチュとひとつになってパルミエ王国に帰って行くのを見ると、
自分は何て大きなものを抱えていたんだろうって、今更ながら怖くなった。
その時、ふたつの気持ちが格闘してて。
普通の生活に戻れるという安心感。
普通の生活じゃない毎日は二度とこないという寂しさ。
正直なトコロ、開放されてほっとした自分がいた。
もちろん、「キュアルージュ」としての自分を誇りに思ってる。
普通の女の子じゃ、出来ない事をやり遂げたんだし。
のぞみと、うららと、こまちさんと、かれんさんと。
のぞみを中心に運命を共にした仲間たち。
きっと、この先の人生でも、貴方たち程大切な人には出会えない。
こんなにも大切で、こんなにも愛しい人たち。他にはいないよ。
だから、頑張れたんだ。
だから、ほっとしたんだ。
みんなが危険になることは、もうないんだって思ったから。
だけど。
普通の生活に戻れたのは、ほんの一瞬で。
今はまた、新しい力がこの手の中にある。
アタシに与えられたパルミエ王国の赤い蝶の力・・・
「情熱」の光と
キュアローズガーデンの赤い薔薇の力がひとつになった新しい力が。
普通の女の子に戻れるのは、まだまだ先みたい。
きっとこれから先も、困難が待ち受けてるに決まってる。
傷つく事だって、沢山あるよね。
でも、進まなくちゃ。
前よりも、もっともっと強くならなくちゃ。
大切なものを失わない為にも、アタシは強くなる。
それに、一人じゃないよ。
アタシたち5人にしか出来ない事だから。
アタシたち5人にしか進めない道だから。
その先にある、キュアローズガーデンへ。
みんなで、行こう。
アタシたちの「希望」と一緒に。
photo by | ちもしぃー |